喜劇

ヴェニスの商人

ヴェニスの商人

親友のために借金をした商人が、返済遅れで自身の肉を要求される

登場人物

  • アントーニオヴェニスの商人
  • シャイロック高利貸し ユダヤ人
  • バサーニオアントーニオの親友
  • ポーシャベルモントの富豪の娘
  • グラシアーノバサーニオの友人
  • ネリッサポーシャの侍女
  • ジェシカシャイロックの娘
  • ロレンゾージェシカの恋人 キリスト教徒

物語

 ヴェニス(ヴェネツィア)の貿易商人アントーニオは、親友の貴族の若者バサーニオから、ベルモント(架空の理想都市)に住む富豪の娘ポーシャに求婚するための資金を貸してほしいと頼まれる。すべての財産を航海中の船に載せ、持ち合わせがなかったアントーニオは、ユダヤ人の高利貸しシャイロックから金を借りることにする。  蔑視の対象だったシャイロックに対し、アントーニオは日頃から唾を吐きかけたりとひどい態度を取ってきたが、シャイロックは無利子で金を貸してくれるという。ただし条件として、期限までに金を返済できない場合は「胸の肉1ポンド」を切り取ることを要求され、アントーニオは証文に署名をする。  金を手に、バサーニオはベルモントへ行く。ポーシャと結婚できる条件は、金・銀・鉛の箱から正しい箱を一つ選ぶことだった。そしてバサーニオは、正解である鉛の箱を見事選び、ポーシャと結ばれる。彼の陽気な友人グラシアーノと、ポーシャの侍女ネリッサも結ばれる。  その頃、アントーニオの商船がすべて難破し借金が返済できなくなる。シャイロックは娘ジェシカが恋人ロレンゾーと金や宝石を持ち去って駆け落ちしたことや、日頃からアントーニオを恨んでいたこともあり、契約通り肉1ポンド、すなわち命を求め、訴訟を起こす。  アントーニオの危機に、バサーニオたちが急いでヴェニスに戻る。男装したポーシャが裁判官として法廷に現れ、証文が有効だと主張するシャイロックに対し、肉1ポンドはシャイロックのものだが、血のことは証文に記載がないため、1滴も流してはならないと言う。機転の利いた名裁きによって、立場は逆転、アントーニオの命は助かり、シャイロックは殺人未遂罪として財産を没収、キリスト教への改宗を強制される。

悪魔でも目的のために聖書を引くことができる。(アントーニオ)

――The devil can cite Scripture for his purpose.

ユダヤ人には目がないか? ユダヤ人には手が、臓器が、足が、感覚が、感情が、情熱がないというのか?~私たちを刺せば血は出ないか? くすぐれば笑わないか? 毒を飲ませれば、死なないのか?(シャイロック)

――Hath not a Jew eyes? Hath not a Jew hands, organs, dimensions, senses, affections, passions? ~ If you prick us, do we not bleed? If you tickle us, do we not laugh? If you poison us, do we not die?

外見が最もひどい偽りかもしれない。世間はいまだに虚飾に欺かれている。(バサーニオ)

――So may the outward shows be least themselves; The world is still deceived with ornament.

夏の夜の夢

夏の夜の夢

妖精のいたずらで恋の相手が入れ替わる 森の一夜の大騒動

登場人物

  • ハーミア貴族の娘
  • ライサンダーハーミアの恋人
  • ディミートリアスハーミアに想いを寄せる青年
  • ヘレナハーミアの幼なじみで親友
  • イジーアスハーミアの父
  • パック(ロビン・グッドフェロー)妖精
  • オーベロン妖精の王
  • ティターニア妖精の女王
  • テーセウスアテネ公爵
  • ヒポリュテアマゾン女王

物語

 ギリシャのアテネ公爵テーセウスと、アマゾン国の女王ヒポリュテの結婚式が迫るある日、二人の元に貴族のイジーアスが娘の結婚のことで相談に訪れる。  イジーアスの娘ハーミアは、父が望むディミートリアスとの結婚を拒み、恋人のライサンダーと一緒になるため、森へ駆け落ちをする。ハーミアに想いを寄せるディミートリアスが駆け落ちを阻止しようと彼らを追いかけ、さらにハーミアの幼なじみヘレナも森へ入る。ヘレナはディミートリアスのことが好きで、ハーミアのことを密かに妬んでいた。  四人が入った森では、妖精の王オーベロンと女王ティターニアが、インドの「とりかえ子」を取り合って喧嘩していた。夫に逆らうティターニアをこらしめようと、オーベロンはいたずら好きの妖精パックを呼び出し、三色スミレを摘んでくるように言う。その花の汁を眠っている者の目蓋に塗ると、目が覚めた時、最初に見たものに恋をする、つまり魔法の惚れ薬となるためだった。  オーベロンは、ディミートリアスに置いていかれ森に一人でいるヘレナを見かけ、哀れに思い、ティターニアだけでなくあの男にも惚れ薬を塗るようパックへ言う。しかしパックは間違えてライサンダーの目蓋に塗ってしまう。ライサンダーは目覚めた時にたまたまいたヘレナに恋してしまう。ヘレナは馬鹿にされていると思い相手にしないが、ライサンダーはハーミラを置いてヘレナを追いかける。一方ティターニアのほうは、ロバに恋をしてしまう。  今度こそディミートリアスに薬を塗ったパックだが、ヘレナを二人の男が奪い合う事態になる。ハーミアは怒ってヘレナに掴みかかり、青年たちはヘレナを取り合い決闘しようする。  大騒動の中、パックが四人を眠りに誘い、魔法を解く薬を塗る。ティターニアも魔法を解かれ、オーベロンと仲直りする。イジーアスはハーミアとライサンダーの結婚を認めることにし、恋人同士となった若者たちを含めた三組の結婚が祝われた。

読んだり聞いたりしたすべての物語や歴史において、真実の愛の道が平坦であったためしがない。(ライサンダー)

――For aught that I could ever read, Could ever hear by tale or history, The course of true love never did run smooth.

恋する者は狂った者と同じく、気がおかしくなり、冷静な理性では到底理解できないことを想像する。(テーセウス)

――Lovers and madmen have such seething brains, Such shaping fantasies, that apprehend More than cool reason ever comprehends.

お気に召すまま

お気に召すまま

兄に殺されそうになり逃げてきた青年と、正体を隠す男装の姫が、森で再び出会う

登場人物

  • オーランドードー・ボイス家の末弟
  • ロザリンド前公爵の娘
  • シーリアロザリンドのいとこ
  • オリヴァーオーランドーの兄
  • フレデリック公爵 ロザリンドの叔父
  • 前公爵ロザリンドの父
  • アダムドー・ボイス家の老僕
  • ジェイクィズ前公爵の臣下
  • タッチストーン道化

物語

 幼少の頃に父を亡くし、家を継いだ兄からひどい扱いを受けて育ったオーランドーは、フレデリック公爵主催のレスリング大会で公爵の姪ロザリンドと出会い、恋に落ちる。しかし大会で優勝したオーランドーが気に入らない兄オリヴァーは、ついに彼を殺そうとする。召使いアダムからオリヴァーの陰謀を知ったオーランドーは、アダムとともに、アーデンの森へ逃げる。  森では、前公爵が皮肉屋の貴族ジェイクィズや他の臣下たちとともに暮らしていた。フレデリックは、実は前公爵である兄を追いやり、領地を奪って位についていた。オーランドーとアダムは、食料に困っていたところを前公爵に助けてもらう。  前公爵の娘であるロザリンドも、ついにフレデリックから追放を言い渡される。同情したフレデリックの娘シーリアは、道化タッチストーンを連れ、ロザリンドについていく。ロザリンドは安全のために男装し、ギャニミードと名乗ることにし、一行もアーデンの森へ入る。  ロザリンドは、オーランドーによる自分への詩が森の木々に貼り付けてあることを知る。二人は森で再会し、ロザリンドは正体を隠したまま、オーランドーに恋の指南をする。そんな中、森にオリヴァーが来て、今度こそオーランドーの命を奪おうとする。ライオンに襲われそうになったオリヴァーを、しかしオーランドーは命がけで助ける。オリヴァーは心を入れ替え、そしてシーリアと相思相愛にもなり、結婚することにする。  兄たちと一緒にロザリンドと結婚できたら、というオーランドーの言葉に、ロザリンドはギャニミードとして父である前公爵にオーランドーとの結婚の承諾を得た後、男装を脱ぎ捨て、正体を明かす。彼らの結婚が祝われ、最後にフレデリックが改心し、前公爵に領地を返し、自らは森で隠居することを選ぶ。

逆境が人に与えるものこそ美しい。ガマガエルのように醜く、毒もあるが、頭の中には大事な宝石を含んでいる。(前公爵)

――Sweet are the uses of adversity, Which, like the toad, ugly and venomous, Wears yet a precious jewel in his head.

この世はすべて一つの舞台、人はみな役者に過ぎぬ。退場と登場があり、自分の出番に多くの役を演じる。その幕は、七つの時代から成っている。(ジェイクィズ)

――All the world's a stage, And all the men and women merely players. They have their exits and their entrances, And one man in his time plays many parts, His acts being seven ages.

男なんて、口説く時は春だけど、結婚したら冬。(ロザリンド)

――men are April when they woo, December when they wed.

愚者は己を賢いと思うが、賢者は己が愚かなことを知っている。(タッチストーン)

――The fool doth think he is wise, but the wise man knows himself to be a fool.

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