史劇

ヘンリー六世

ヘンリー六世

争いごとが苦手な王の時代、貴族の対立から、赤薔薇と白薔薇の争いが始まる

登場人物

  • ヘンリー六世イングランド王
  • マーガレット王妃 ナポリ王国から嫁ぐ
  • ヨーク公リチャード・プランタジネットエドワード三世の血筋
  • グロスター公ヘンリー六世の叔父
  • ウィリアム・ド・ラ・ポールサフォーク伯
  • ヘンリー・ボーフォートヘンリー六世の大叔父 ウィンチェスターの司教
  • トールボットイングランドの将軍
  • ジャンヌ・ダルクフランス軍の少女
  • ジャック・ケイド素性不明の暴徒
  • サマセット公現王家であるランカスター派の貴族

物語

 イングランド王国とフランス王国による百年戦争の最中、幼いヘンリー六世が即位する。叔父である摂政グロスター公と、大叔父であるウィンチェスターの司教ヘンリー・ボーフォートが激しく対立し、ランカスター家を支持するサマセット公派が赤薔薇、ヨーク家リチャード・プランタジネット派が白薔薇と、貴族の間で溝が深まる。  戦争ではトールボットとジャンヌ・ダルクが戦っていたが、権力争いの影響もありトールボットは討ち死に、ジャンヌ・ダルクはイングランド軍に捕らえられ、火刑に処される。  ヘンリー・ボーフォートとサフォーク伯ウィリアム・ド・ラ・ポールの助言で、ヘンリー六世はフランス王国との和平のため、アンジュ家マーガレットと結婚する。代償にフランス領を失う。  サフォーク伯は公爵を叙せられ、枢機卿となったボーフォートと謀り、グロスター公を暗殺する。ヘンリー六世は哀しみ、サフォーク公を追放、その結果サフォーク公は海賊に殺される。枢機卿ボーフォートも病で亡くなる。  一方、ヨーク公リチャード・プランタジネットが王位を狙い、ジャック・ケイドに叛乱を起こさせ、また、サマセット公を逆賊として倒す名目でアイルランドから挙兵、薔薇戦争が始まる。  ジャックとサマセット公が戦いで死亡、争いに向かない性格のヘンリー六世は、ヨーク公に位を譲ろうとする。怒ったマーガレットが兵を率い、ウェイクフィールドの戦いで勝利、ヨーク公と三男ラットランド伯エドマンドを殺す。  しかしヨーク公の嫡男が挙兵、ヘンリー六世を捕らえロンドン塔に幽閉し、エドワード四世として即位する。六男ジョージはクラレンス公、八男リチャードはグロスター公となる。  その後の戦いの中で、ヘンリー六世は一旦復位したこともあったが、息子である皇太子エドワードが戦死し、最後は再び捕らえられたロンドン塔で死去する。ランカスター朝最後の王となった。

なりたいものになれないなら、死んでしまえ。(ヨーク公)

――Be that thou hop'st to be, or what thou art Resign to death;

無知は神の呪いであり、知識は天へ飛ぶ翼である。(セイ卿)

――And seeing ignorance is the curse of God, Knowledge the wing wherewith we fly to heaven,

リチャード三世

リチャード三世

明晰な頭脳で冷徹に暗殺を繰り返して王位を奪う しかし最後は孤独

登場人物

  • グロスター公リチャード即位しリチャード三世となる
  • エリザベスリチャードの義姉 エドワード四世の妃
  • クラレンス公ジョージリチャードの兄
  • アン・ネヴィル赤薔薇派ウォリック伯の娘
  • バッキンガム公リチャードの腹心
  • リッチモンド伯ヘンリー・テューダーランカスター家の血筋 後のヘンリー七世
  • エリザベス王女リチャードの姪

物語

 薔薇戦争の中でヨーク家が実権を握るようになったエドワード四世の時代、王弟グロスター公リチャードは王位を得ようと、兄クラレンス公ジョージにあらぬ嫌疑をかけてロンドン塔に幽閉、処刑を実施させる。また、ランカスター家の戦死したかつての皇太子エドワードの妃アンの相続財産を狙って、上手く丸め込んで妻とする。  エドワード四世が病に亡くなると、リチャードは巧みな話術と策略で、妃エリザベスの弟リヴァーズ伯と連れ子二人を、バッキンガム公に命じてポンフレット城に捕らえさせ処刑する。リチャードの甥であり、エドワード四世の幼い王子であるエドワード五世とヨーク公はロンドン塔に幽閉する。  その後も、リチャードの王位に反対する者は処刑した。またバッキンガム公およびサー・ウィリアム・ケイツビーと共謀し、「エドワード四世とエリザベスの結婚は無効で、エドワード五世は私生児」とまで言い、王位継承者が自分のみであることをロンドン市民に訴える。そして推される形で、リチャード三世として即位する。  王となったリチャードは、王座を盤石にするために、幼い甥たちの暗殺をバッキンガム公に命じる。だが彼は拒否し逃亡する。甥たちは別の暗殺者たちを雇って殺し、息子たちの死をエリザベスは嘆く。バッキンガム公は、ランカスター家のリッチモンド伯ヘンリー・テューダーと叛乱を起こす。しかし捕らえられ、処刑される。  リチャードは妻アンを暗殺し、姪のエリザベス王女と結婚しようとする。しかしボズワースの戦いが始まり、リッチモンド軍と対峙することになる。その最中、リチャードは夢の中で亡霊たちに恨まれる。奮闘するも敗死、薔薇戦争が終結する。リッチモンドとエリザベス王女の結婚によってランカスター家とヨーク家が統一され、そうして次の王朝テューダー朝が始まる。

私は悪人として、この時代のくだらぬ喜びすべてを憎んでやる。(リチャード)

――I am determinèd to prove a villain And hate the idle pleasures of these days.

絶望して死ね!(亡霊たち)

――Despair and die!

馬だ! 馬をよこせ! 代わりに俺の王国をくれてやる!(リチャード)

――A horse, a horse, my kingdom for a horse!

投げた賽に命を賭けたのだ。死の目が出ようと立ち向かう。(リチャード)

――I have set my life upon a cast, And I will stand the hazard of the die.

ホームへ