四大悲劇

ハムレット

ハムレット

父を殺し王位を奪い、母と再婚した叔父に、狂気を装いながら復讐を

登場人物

  • ハムレットデンマークの王子
  • クローディアスデンマークの王 ハムレットの叔父
  • ガートルード王妃 ハムレットの母
  • 幽霊先代ハムレット王
  • ホレイシオハムレットの親友
  • オフィーリアハムレットの恋人
  • ポローニアス王の家臣 オフィーリアの父
  • レアーティーズオフィーリアの兄
  • ローゼンクランツハムレットの学友
  • ギルデンスターンハムレットの学友
  • フォーティンブラスノルウェーの王子

物語

 デンマークのエルシノア城では、夜ごと、城壁に亡き先代王の亡霊が現れ、衛兵たちを怯えさせていた。父が急死したことを嘆く王子ハムレットは、王となった叔父クローディアスと母ガートルードがすぐに再婚したこともまた許せないでいた。  城壁の亡霊の話をヴィッテンベルク大学での友人ホレイシオや衛兵たちから聞いたハムレットは、夜に城壁へ見張りに立ってみることにする。すると亡霊はまさに父で、ハムレットは父の亡霊から現国王クローディアスに「毒殺された」と明かされ、復讐を命じられる。  ハムレットは復讐の機会をうかがうため狂気を装い始める。クローディアスの腹心の家臣ポローニアスは、ハムレットの気が狂ったのは娘オフィーリアへの恋煩いだと考える。オフィーリアとハムレットは互いに慕う仲だったが、オフィーリアは身分違いから父や兄レアーティーズに仲を反対され、関わることを禁止されていた。ポローニアスの考えを聞いたクローディアスは、ハムレットの学友だったローゼンクランツとギルデンスターンにハムレットを探らせる。ハムレットは旅役者に頼み先王暗殺の芝居をクローディアスに見せ、その際の反応から真犯人だと確信する。  ハムレットは、母ガートルードを責める会話の中で、様子を探り部屋に潜んでいたポローニアスを誤って殺害する。恋人に父を殺されたオフィーリアは気が触れ、小川で溺れて死んでしまう。父と妹を失ったレアーティーズはハムレットを激しく憎む。  ハムレットとレアーティーズは剣の試合をする。クローディアスの策略で、剣には致死の毒が塗られ、ハムレットへの毒杯も用意されていた。試合の中、クローディアスが飲ませようとした毒杯を誤ってガートルードが飲み、死亡する。ハムレットとレアーティーズはともに毒剣で傷つき、レアーティーズはクローディアスの策略を暴露する。  毒が体に回る中、ハムレットはクローディアスに毒杯の残りをクローディアスに飲ませ、ついに復讐を果たす。友ホレイシオは後を追おうとするが、ハムレットは「この生きづらい世を生き、私の話を世に伝えてくれ」と言い、息絶える。最後にノルウェーの王子フォーティンブラスが広間に現れ、ひどい光景を目にし、ハムレットの葬儀を命じる。

生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。(ハムレット)

――To be, or not to be, that is the question.

簡潔さこそが英知の真髄である。(ポローニアス)

――Brevity is the soul of wit.

何よりもまず、自分自身に誠実であることだ。(ポローニアス)

――This above all: to thine ownself be true.

雀一羽落ちるのにも神の摂理がある。(ハムレット)

――There is special providence in the fall of a sparrow.

リア王

リア王

上の娘たちの甘い言葉を信じ、真に想ってくれていた末娘を追放してしまった老いた王は

登場人物

  • リアブリテンの王
  • ゴネリルリアの長女
  • リーガンリアの次女
  • コーディーリアリアの末娘 フランス王妃
  • オールバニー公爵ゴネリルの夫
  • コーンウォール公爵リーガンの夫
  • ケント伯爵リア王の忠臣
  • グロスター伯爵リア王の家臣
  • エドガーグロスターの嫡男
  • エドマンドグロスターの婚外子 ゴネリルとリーガンに慕われている
  • 道化リアの従者

物語

 ブリテンの老王リアは、三人の娘に王国を分割することにし、自分をどれほど愛しているかを問う。上の娘たちは愛を言いたてたが、末娘コーディーリアは「何も言うことはありません」と答えた。リアは上の娘たちのほうが愛情が深いと考え、コーディリアに何も与えず、勘当する。止めに入った忠臣ケント伯爵の言葉も聞かず、コーディリアは持参金もなしにフランス王に嫁いでいった。  リアは長女ゴネリルの元に身を寄せたが、領地や財産、権力を手に入れた彼女は手の平を返し冷酷な態度になる。次女のリーガンも動揺で、リアを助けに来たケントも、彼女の夫コーンウォール公爵に足枷をはめられ自由を奪われる。道化の言葉で、リアはようやく娘二人に騙されていたことに気づく。裏切られ城を追い出されたリアは、荒野で嵐にさらされながら狂乱する。  一方、リアの家臣グロスター伯爵には二人の息子がいた。愛人の子どもである次男エドマンドは、嫡男エドガーを陥れ、家督を自身のものにしようとしていた。エドマンドは父を騙してエドガーを憎むよう諮ったが、エドガーは乞食「裸の狂人トム」に変装し難を逃れる。そして荒野でリアと関わる。  グロスターは、リアを助けようとしたことで、リーガンと夫コーンウォール公爵から拷問を受け両目をくり抜かれる。放り出されたグロスターは、盲目になりようやく、エドマンドに裏切られたことを理解する。グロスターは荒野でトムと出会い、トムがエドガーだと知らぬまま、手を引かれ、やがて錯乱したリアと出会う。そして苦難に耐えながら生きる決意をするが、トムがエドガーだと知ると、喜びの中で息を引き取る。  リアの元には、フランス軍を率いブリテンに上陸した三女コーディーリアが助けにやってくる。リアは許しを乞うものの、伯爵となったエドマンドと彼を慕うゴネリルとリーガンによるブリテン軍に、フランス軍は敗れ、リアとコーディーリアは投獄される。  エドマンドは決闘でエドガーに倒され、ゴネリルは嫉妬からリーガンを毒殺、その悪事を夫オールバニー公爵に暴かれ自ら命を断つ。エドガーとオールバニーは獄中のリアとコーディーリアを助けに行くが、コーディーリアはすでに首を吊られて殺されていた。リアは愛する娘の亡骸を抱き、彼もまた悲しみの中で息を引き取る。

私は陛下を愛しております、子として。それ以上でも以下でもありません。(コーディーリア)

――I love your majesty According to my bond; nor more nor less.

風よ、吹け、頬が裂けるまで! 吹け! 吹き荒れろ!(リア王)

――Blow, winds, and crack your cheeks! Rage! Blow!

「最悪だ」と言えるうちは、まだ最悪ではない。(エドガー)

――The worst is not, So long as we can say, "This is the worst."

なぜ犬や馬やねずみに命があるのに、おまえは息をしないのか。お前はもう戻ってこない、二度と、二度と、二度と、二度と、二度と!(リア王)

――Why should a dog, a horse, a rat, have life, And thou no breath at all? Thou'lt come no more, Never, never, never, never, never!

オセロー

オセロー

部下の悪だくみにはまり、愛する妻を信じきれずに嫉妬に狂う

登場人物

  • オセロー将軍 ムーア人
  • イアーゴーオセロの旗手
  • デズデモーナオセローの妻
  • ブラバンショー元老院議員 デズデモーナの父
  • ロダリーゴー紳士 デズデモーナに横恋慕している
  • ヴェニス公爵ヴェニスの元首
  • エミリアデズデモーナの侍女 イアーゴーの妻
  • キャシオーオセローの副官
  • ビアンカキャシオーの馴染みの娼婦

物語

 イタリアのヴェニス(ヴェネツィア)の将軍オセローは、美しい娘デズデモーナと密かに結婚をする。彼女の父である元老院議員ブラバンショーは、オセローがムーア人であるために結婚を反対していた。  忠実な部下を装いながら陰でオセローを嫌うイアーゴーは、デズデモーナに横恋慕するロダリーゴーを使い、ブラバンショー邸の前で「娘がオセローに盗まれた」と騒がせる。ブラバンショーは議会でヴェニス公爵に訴え、二人の仲を裂こうとするが、デズデモーナが夫への愛を明言した認められる。オセローはキプロス島総督に任命され、デズデモーナも赴任についていく。  同じくキプロス島についてきたイアーゴーは、キャシオーが副官となったことを妬み、彼が苦手な酒を無理に飲ませ酔って問題を起こさせ、副官を降ろさせる。消沈するキャシオーを慰めるふりをして、イアーゴーは将軍の妻であるデズデモーナに取りなしを頼めばいいと吹き込む。そして一方でオセローには、キャシオーとデズデモーナの仲に気をつけたほうがいいと嘘を言う。  デズデモーナがキャシオーの復職を頼むほど、オセローは疑い深くなっていく。悩むオセローに、イアーゴーは悪いほうに想像するような言葉をかけ続ける。耐えられなくなったオセローは、イアーゴーに証拠を見せろと迫る。  イアーゴーは、妻でありデズデモーナの侍女でもあるエミリアを使って、オセローの贈り物であるデズデモーナの大切なハンカチを手に入れる。イアーゴーはそのハンカチをキャシオーの部屋にこっそりと置き、キャシオーはハンカチを手にする。キャシオーが馴染みの娼婦ビアンカとハンカチのことで話をしていたところを、オセローが目撃、オセローはついに証拠を掴んだと、デズデモーナを殺してしまう。  オセローの会話から、エミリアは夫イアーゴーの謀に気づき、真実を明かす。取り返しのつかない過ちをしてしまったと気づいたオセローは、イアーゴーを斬ろうとするが、周囲の者に止められる。オセローは激しい後悔と絶望の中、隠し持っていた短剣を取り出し、自身の喉を突き刺し自害する。

過ぎた不幸を嘆くことは、新しい不幸を招くもとだ。(ヴェニス公爵)

――To mourn a mischief that is past and gone Is the next way to draw new mischief on.

おお、嫉妬にお気をつけください、閣下。嫉妬は緑色の目をした怪物で、餌食にした者を嘲笑うのです。(イアーゴー)

――O, beware, my lord, of jealousy; It is the green-eyed monster which doth mock The meat it feeds on.

貧乏でも満足している人間は金持ち、十分な金持ちです。しかし大金持ちでも、いつ貧乏になるかと怖がっている人間は、冬のように貧しい。(イアーゴー)

――Poor and content is rich, and rich enough, But riches fineless is as poor as winter To him that ever fears he shall be poor.

マクベス

マクベス

予言を受け野心に憑りつかれた英雄が、王を殺して権力を手にするが

登場人物

  • マクベススコットランドの将軍 グラームズの領主
  • バンクォーマクベスの仲間の将軍
  • ダンカンスコットランド王
  • マクダフファイフの領主
  • マルカムスコットランド王子
  • ドナルベイン王子 マルカムの弟
  • フリーランスバンクォーの息子
  • ノーサンバランド伯爵ダンカンの弟

物語

 スコットランドの将軍マクベスは、反乱軍及びノルウェー軍と戦い大勝し、仲間の将軍バンクォーと凱旋するが、途中、荒野で三人の魔女と出会う。魔女たちから、マクベスは、いずれ王になると予言を受ける。王ダンカンは長男マルカム王子を王位継承者に定めるが、野心を抱いたマクベスは、マクベス夫人とも話し、ダンカンを殺害してしまう。  朝早く、殺されたダンカンをファイフの領主マクダフが発見する。城内が騒然となる中、マクベスは護衛たちの仕業だとして彼らを斬り捨てる。マルカムと弟ドナルベイン王子は身の危険を感じ、イングランドとアイルランドへそれぞれ逃亡する。王殺しの真の犯人は王子たちだとして、マクベスは王位に就く。  しかし魔女たち荒野で、「バンクォーの子孫が王になる」とも予言していた。そのことが気になっていたマクベスは、人を雇い、バンクォーをも暗殺する。その時息子フリーランスも殺そうとしたが、取り逃す。  不安に駆られるマクベスは、また魔女たちに会いに行き未来を尋ねる。「ファイフの領主マクダフに注意せよ」や「女から生まれた者にマクベスは倒せない」、「バーナムの森が動いてダンシネーンの丘に向かわない限りはマクベスは滅びない」と予言し、マクベスは一安心する。  一方、マクダフは国を憂えてマルカムに会いに行く。マルカムは、叔父ノーサンバランド伯爵と決起を考えていることを明かす。その頃しかし、マクダフの妻子がマクベスの命で惨殺される。また、マクベス夫人は不安や罪悪感から精神が追い詰められ、夜中に起き出し「血が落ちない」と手を洗う仕草を繰り返すようになる。  マクベスはダンシネーンの城に籠城し、マルカムやマクダフたちイングランド軍を迎え撃とうとする最中、夫人の死を知らされる。味方も次々と寝返っていく。イングランド軍はバーナムの森の枝を隠れ蓑に進軍していたため、まるで森が動いているようだった。  それでもマクベスは予言を信じ戦い続けるが、マクダフから「月足らずで腹から引きずり出された」つまり帝王切開で生まれたと明かされ、ついにマクベスは、マクダフの手によって討ちとられる。

きれいは汚い、汚いはきれい(良いは悪い、悪いは良い)。(三人の魔女)

――Fair is foul, and foul is fair.

明けない夜はない。(マルカム)

――The night is long that never finds the day.

人生は歩く影法師、哀れな役者だ。出番の時は舞台で大見得を切っても、終わると音もない。(マクベス)

――Life's but a walking shadow, a poor player, That struts and frets his hour upon the stage, And then is heard no more.

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